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2021.10.16

収穫を待ちわびて(9月から10月の家庭水田)

9月も中旬を過ぎると、ほとんどの穂が黄金色になり、秋らしい景色になってきました。
海士町でも早いところは9月の上旬から稲刈りがはじまり、9月中旬から下旬はコシヒカリ、
10月に入るとキヌムスメなどの収穫が本格化します。

品種、田植えの時期、出穂のタイミング、稲穂の登熟具合、田んぼの乾き具合など、
農家さんは様々なポイントを見ながら、稲刈りのタイミングを見極めていくそうです。

 

 

 

うちの田んぼでは、よく見ると未成熟の籾や、スズメに食べられいるところも一部ありました。
稲が登熟(とうじゅく)していく時期には、晴天が続くと光合成が盛んに行われ、
お米の実りが良くなるそうです。

昼間に光合成でつくられたブドウ糖が、夜になると籾に送り込まれて甘味が増すようですが、
夜の気温が高くなると、稲が呼吸をしてブドウ糖が消費されてしまうので、
品質のいいお米を育てるためには、昼と夜の寒暖差も重要なポイントであることを知りました。

 

 

黄金色になる籾を見ると、早く稲刈りをしたいという気持ちが高まってきますが、
焦らずにじっくりと田んぼの全体を見ながら、9月中旬はしばし待つ時間が続きます。

そのあいだに、刈り取った後の稲を干して架けるための「はで」の準備をはじめました。

ご近所さんからいただいた竹を切り、しっかりと固定するようにロープで結びながら
足場をつくっていきます。

 

 

田んぼの近くまで切った竹を運んで、ぼちぼちと組み立て作業をしていると、
「そのこまい(小さい)竹だと、風で倒れんかいな」「足をもっと低くした方がいい」
「両サイドから、突っ張りができんか」などなど、通りがかる北分地区の皆さんに、
様々な助言と、叱咤激励をいただきます。素人にはまだまだ分からないことだらけです。

その後、できる限りの改善を加えて、まだ十分とは言えないものの、
おおよそ田んぼの半分くらいの稲を架けるための簡易的な「はで」が完成して、
そこに架けきれない分は、家の裏庭の柵に干すことにしました。

「はで」については、しっかりと固定できる木材や太い竹を準備すること、
田んぼの中にしっかり打ち込みをすることなど、来年に向けての宿題は残りましたが、
ひとまず今年はこれでよし、としたいと思います。

 

 

そして晴れ間の続いた9月下旬の日曜日に念願の稲刈りをしました。

高校生が中間テスト期間のため不在だったのが残念ではありましたが、
米づくりの同志や先輩、職場の大学生インターンたちが手伝いにきてくれました。

まずは田んぼの中に入って鎌で刈り、それを麻の紐でしばっていきます。

 

 

そして刈り取った稲を「はで」にこのような感じで、一つずつかけていきます。
この後、2週間ほど稲を天日に干すことになりますが、風が吹いて倒れないか、
せっせと作業をしながら心配でなりません(笑)

 

 

一つひとつが手作業だったこと、田んぼが十分に乾いておらずぬかるんでいたこともあり、
半日のつもりが、結局一日仕事になりました。やはりすべてを手作業でやるというのは、
本当に大変だということが身に染みて分かりました。

(手伝ってくれた皆さん、本当にありがとうございました)

ちなみに、別の日に島の兼業農家さんの稲刈りのお手伝いに行った時は、
高校生と一緒にバインダーという機械を使ってやりました。

今は大型のコンバインでの稲刈りが主流となり、手やバインダーで刈ることは珍しいですが、
小さい田んぼなら、みんなで他愛もない雑談をして、ときどきお茶を飲みながら休憩をして、
秋の陽気の中でぼちぼちと稲刈りをするのも、結構いいもんだなと思います。

 

 

そして稲刈りが終わり、10月も2週目に入ってくると干している稲も乾燥して水分が抜け、
このように全体が黄金色になってきました。水分が抜けることで稲は随分軽くなってきます。

 

 

幸いなことに10月に入ってからは晴れの日が多く、大きく天気が崩れることもなかったので、
「はで」に架けている稲が落っこちることもなく、何とか天日での乾燥ができました。

稲刈りをしてすぐに米が食べれるわけでないことを改めて実感しながら、
いよいよ新米の収穫の日が近づいてきました。

田んぼに関わってくれたみんなと話しながら、ごはんのおともに鮭と岩のりを買っておこうか、
もちろん土鍋で炊くよね、海士町のムラーズファームのたまごで卵かけご飯にしよう、
などなど想像を膨らませながら、新米を味わう日をもう少しだけ待とうと思います。






山野 靖暁
Yasuaki Yamano

amatte 編集室 / 海士町在住
1991年生まれ、大阪育ち。京都とノルウェーでの大学生活、東京での会社勤めを経て、2018年に縁あって海士町へ移住。今は教育の仕事に携わりながら、島の暮らしを味わう日々。得意料理はだし巻き卵で、吉田修一さんの書くエッセイが好き。

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