記事一覧 特集一覧 amatteとは? 編集室 お問い合わせ
特集 > 島で家庭水田をはじめました。
2021.05.01

瑞々しい生命力(5月の家庭水田①)

4月の中旬に種まきをして1週間ほど経つものの、なかなか芽が出てこない。
僕が調べた限りでは、通常は5日程度で芽が出るというイメージだったので、
少し焦りを感じはじめます(芽が出ないことには本当に何も始まらない・・・)

苗箱を簡易プールのビニールテントで管理しているので、保温がよくないのかなとか、
苗箱に入れた土がよくなかったのかなとか、考えはじめるとキリがありません。

ひとまず身近な人に相談しながら、今できる対策として、プールの底に少し水を張ってみて、
2、3日様子を見てみることにしました。

すると、種まきをして10日と少し経過したくらいの頃だったかに、
ようやく小さな白い芽が出てきました。苗箱の前で腰をかがめて、
じっくり土の表面を見ていると、わずかに見えるといった感じです。

 

 

その芽を一つだけ取り出して見てみると、こんな風に種からしっかりと芽が出ています。
水に浸けていた頃の小さな種籾を想像すると、瑞々しい生命力を感じずにはいられません。

 

 

そして、そこから一安心して数日が経過した朝に、ビニールテントのシートを開けてみると、
芽がずいぶんと伸びて、鮮やかな緑色になってきました。ここまでくると手応えがあります。

 

 

不安や焦りで、その対象ばかりを見ている時は、なかなか変化や成長がないものですが、
土壌となる環境を整えて、少しその対象へのフォーカスをゆるめてみたり、距離を取ることで、
気づいたらすくすくと育っていたってことは、結構あるかもしれないですね。

米のことだけでなく、畑で野菜を育てていても、仕事で高校生たちと関わっていても
それに近い感覚を感じることはあるような気がします。

もちろんまだまだ油断はできないですが、 種そのものが持っている生命力を大切に、
じっくり見守っていきたい今日この頃です。






山野 靖暁
Yasuaki Yamano

amatte 編集室 / 海士町在住
1991年生まれ、大阪育ち。京都とノルウェーでの大学生活、東京での会社勤めを経て、2018年に縁あって海士町へ移住。今は教育の仕事に携わりながら、島の暮らしを味わう日々。得意料理はだし巻き卵で、吉田修一さんの書くエッセイが好き。

この人の書いた記事をみる



カテゴリー別に一覧をみる
キーワード別に一覧をみる
##amatte##イベント##コミュニティ##企画##編集会議#DIY#あじさい#うっかり#おいしい#おすそわけ#おばあちゃん#お雑煮#ご近所さん#そば#ふるさと納税#まき#みかん#イカ#インタビュー#オープンアイランド#クリエイティブ#シイの実#ジオ#マルシェ#世間話##休日#体験談##商店#図書館#地球#多拠点暮らし#大人の島留学#大地#寄り道#島のワイン#島前高校#島留学#崎みかん#成長#手仕事#手作り#暮らし#####梅しごと#歴史#漁師#産業##移住##節句#自然##観光#観察#農業#通勤#隠岐ユネスコ世界ジオパーク#風景#


2022.02.17
私的な島の図書館だより 「嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書」ラルフ・ジェームズ・サヴァリーズ
「嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書―自閉症者と小説を読む」 ラルフ・ジェームズ・サヴァリーズ 著 岩坂彰 訳 &..
2022.01.10
私的な島の図書館だより 「言葉を離れる」横尾忠則
横尾忠則さんのエッセイ 『言葉を離れる』   この本は広く皆さんにおすすめできません。おすすめは出来..
2021.12.20
私的な島の図書館だより 「その魔球に、まだ名はない」エレン・クレイジス
「その魔球に、まだ名はない」 エレン・クレイジス著       今回読んだのは、..
編集室
お問い合わせ