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特集 > 島で家庭水田をはじめました。
2021.03.30

まずは土づくりと種の準備を(3月の家庭水田)

3月になると、いよいよ本格的に田んぼの準備となるわけですが、さて何からはじめていくといいのでしょうか。おそらく色々とあるわけですが、何事もまずは土づくりから、ということで、お借りした北分地区の田んぼに繰り出したのは3月の上旬ごろです。

 

 

この場所では、5年以上は田んぼをやっていなかったそうなので、近所の方にお借りした耕運機で土を起こしていきます。ただ、しばらく田んぼをやっていなかったとは言え、ぬかるむ土に機械を入れていくのは結構大変で、足を踏ん張り、腰を入れながらのフィジカルな作業に、気づいたら汗が流れてきます。

ちなみにこの作業のことを「粗起こし」と言うそうです。

あとで気付いたのですが、本来はこういうトラクターで、がーっと起こしていくのが、おそらくオーソドックスなやり方であると思われます。

 

 

ただトラクターどころか軽トラすら持っていないので、今後のやり方を考えていく必要がありそうです。

そうやって作業をしていたら、田んぼを貸してくれた宇野さんが偶然車で通りかかり、「おお、頑張っとるな。今晩から雨が降りそうだから、今起こしておくと、ちょうどいいな」と声をかけてくれました。

田んぼの前で話を続ける中で、宇野さんも昔は自分のトラクターでやっていたそうですが、起こした土を見ながら、意外と耕運機でも何とかなるもんだな、という反応をされていました。ちなみに宇野さんは別の場所でここの100倍の広さの田んぼをやっているそうです(すごいなあ)。

そして土づくりと並行して3月に準備を進めたのが種籾の準備です。あらためてお米の品種を調べてみると、本当にたくさんあり、甘みがあってモチモチしているコシヒカリ、あっさりした味わいでサラッとした食感のササニシキ、肉に合う品種や、魚に合う品種、おにぎりにして冷めても美味しいのが特徴の品種などなど、けっこう奥が深いものです。

僕はまず「きぬむすめ」という比較的コシヒカリに近い品種をJAで購入しました。海士町の農家さんもたくさん育てている品種で、身近な先人から学ぶこともできそうだと思ったことが選んだ理由です。それから自分が育てたいササニシキの種籾は埼玉県にある種の会社さんに相談して、手に入れることができました。

 

 

品種によっては、なかなか種籾が手に入らないものもあるらしく、育てている農家さんに直接問い合わせることや、手紙を書いて種を譲ってもらえないかお願いすることなんかもあるそうです。

そんなこんなで種を手に入れたら、苗を育てる準備に進んでいくということで、JAさんの事務所で使わなくなった古い苗箱を無料でいただきました(ありがとうございます)。ちょうど農家さんが使わなくなった苗箱をJAさんに持ってこられたタイミングと、僕が種籾を購入したタイミングが重なったようで、ラッキーでした。

ということで、今のところ順調なのか、そうでないのかはまだ分かりませんが、いよいよ4月は苗を育てる準備へと進んでいきます。

 






山野 靖暁
Yasuaki Yamano

amatte 編集室 / 海士町在住
1991年生まれ、大阪育ち。京都とノルウェーでの大学生活、東京での会社勤めを経て、2018年に縁あって海士町へ移住。今は教育の仕事に携わりながら、島の暮らしを味わう日々。得意料理はだし巻き卵で、吉田修一さんの書くエッセイが好き。

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