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特集 > 島で家庭水田をはじめました。
2021.03.10

「田んぼの内見」に行ってみよう

宮崎さんとの出会い

昨年、家の裏のスペースで小さな畑をはじめたときに、土のことや種のことを相談させてもらったのが、海士町で有機農業やナマコ加工業を営んでいる宮崎雅也さんでした。実際に畑を見せてもらったり、宮崎さんがつくるササシグレという品種のお米を買って食べてみたり、僕が仕事をしている高校の授業で、ナマコのことや地域で生業をつくることをテーマに、宮崎さんにお話をいただいたこともありました。

そんな関わりの中から、宮崎さんの家庭水田の取り組みを知りました。宮崎さんのNOTEでは家庭水田はこのように紹介されています。

かていすいでん【家庭水田】

①家庭菜園の田んぼ版。家で食べるための米を栽培する田んぼ。

②農薬や化学肥料を極力使わず、気軽につくる小さな田んぼ

コメづくりは楽しくて、意外と簡単に自給できるということ、担い手の高齢化もあって、農地や機械が余ってくることなどが家庭水田構想の背景にはあるそうです。

海士町は離島では珍しく米を自給していて、湧水にも恵まれている環境にあり、僕自身も田んぼをやってみたいという気持ちはあったので、このタイミングで家庭水田の構想に出会ったことは、ある意味では渡りに船というような感じでした。

 

「田んぼの内見」に行ってみよう

とは言っても、仕事との両立など不安はあります。そしてさあ田んぼをやるぞ、と気合い十分でも、どこでやるのかさえも想像がつきません。ということで宮崎さん、海士町役場の地産地消課の渡辺祐一郎さん、同じく家庭水田に興味がある同僚の大野さんとともに、一度お話を伺ってみることになりました。

その流れの中で、まずは田んぼを見に行くとイメージが湧くんじゃないか、ということになり、家庭水田にちょうどいい広さで、地主さんからお借りできる田んぼを祐一郎さんにいくつかピックアップしていただくことに。

そして後日、みんなで「田んぼの内見」に出かけました。

海士町の中里地区にある三角の形をした田んぼ、隠岐神社のすぐ隣にある竹が生茂る田んぼ、そして最終的に僕が借りることになった北分地区の田んぼなど、いくつかの場所をみんなで見に行きました。

やはり実際に足を運んでみると、日当たり、水の管理、広さ、家からの距離の近さなど、具体的なポイントが少しずつ見えてきます。昔その場所で田んぼをやっていた人のことなんかも聞きながら、みんなすっかりその気になっていきます。

僕はたしか、この内見から2週間後くらいに田んぼをやることに決めましたが、三畝(約300㎡)と場所が広すぎないこと、水の管理のしやすさ、宮崎さんをはじめ、近くに相談できそうな方がいることが田んぼの場所選びの決め手になりました。ちなみに三畝で、年間おおよそ120kgから180kgくらいのコメの収穫量になるそうです。

一緒に内見に行ったメンバーの中では、自宅の近くに借りる人もいれば、隠岐神社近くの田んぼを借りて、田んぼにせり出す大量の竹を伐採するところからはじめるツワモノもいました。

田んぼ同期が何人かいることも、少しは不安が和らいでいいものです。みんな無事にコメが収穫できるといいなあ。

 






山野 靖暁
Yasuaki Yamano

amatte 編集室 / 海士町在住
1991年生まれ、大阪育ち。京都とノルウェーでの大学生活、東京での会社勤めを経て、2018年に縁あって海士町へ移住。今は教育の仕事に携わりながら、島の暮らしを味わう日々。得意料理はだし巻き卵で、吉田修一さんの書くエッセイが好き。

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