伊藤茜さん「サーモンです。これは目をとじてふん~、ふん~、って鼻で息を吸い込むようにしたら、サーモンの味を味わえる。そのくらい好きです。」
小室:では今度は伊藤さんに。
伊藤:ふ~。
大野:じゃあ、伊藤ちゃん行きましょうよ。
伊藤:はい。
小室:それこそ、お父さんだったり、お母さんとか。ご家族の話だったりが聞きたいです。
伊藤:まず伊藤家は四人家族です。父母兄私。明日父の誕生日で還暦です。お酒を送りました。両親とも海士にも何回も来てるんですけど、父はギタリストで中村でライブしたりとか、崎のイベントで演奏したりとかしています。母は介護のパートをしています。兄はパスタ屋さん。
小室:何か子供のころのエピソードありますか。
伊藤:幼稚園から言うと、活発でいろんな人と話すのが好きだったりして、子供の劇団みたいなやつも四歳、五歳くらいまでは入ってて、舞台の上で「わー」っやってたんですけど。急に恥ずかしくなって、小学校に入ってから「今月の誕生日の人」って呼ばれて前に出て、おめでとうみたいな。それで出し物があってみたいな。そういう時に前に出ることも嫌な子になっていた。なにがキッカケだったのか忘れちゃったんですけど。中学校に入ってバレー部でした。高校は部活に入らず体育祭とか文化祭とか行事ごとを一生懸命やってました。バイトしておけばよかったと思うんですけど、バイトもしてなくて、もったいなかったなって今思えば。寄り道して遊んだりすればよかったのに。そんな感じでした。んー難しいですね(笑)
小室:大丈夫。
伊藤:私猫背なんですけど、それがなんでかなーって思って、小学生の時にずっと下向いて歩いてたんですよね。下に落ちてる何か。ウンチとかじゃないですよ。
大野:だれもウンチとかって言ってないよ(笑)石とかでしょ。
伊藤:そういう歩きながら、観察しながら歩いてたからかなーって。暗い性格でもないし、ただ恥ずかしがり屋。こういう状況も苦手なんですけど、小さいときの性格が残っているのかなって思います。
小室:ぜんぜん話違うけど、僕は仲良くなりたくて。仲良くなれるなーって思ってたんです。
伊藤:なります。もうなってます。
小室:好物はなんですか?
伊藤:サーモンです。これは目をとじてふん~、ふん~、って鼻で息を吸い込むようにしたら、サーモンの味を味わえる。そのくらい好きです。ふん~、サーモンって感じができる。
小室:もう一回言って?
伊藤:鼻から味わうみたいな。息を吸うときにサーモンのことを思ったら、味がよみがえってきます。ただ海士に来てから、サーモンを食べることがめったに無くって。だから…
大野:ひとつ聞いていい?サーモンと焼き鮭って…。
伊藤:それはわかります。もうサーモンでしたね。焼き鮭は嫌いなくらいで、今は食べれるんですけど、なんで焼くの?みたいな。
小室:サーモンを焼いてもダメなんですか?炙りサーモンは?
伊藤:炙りサーモンは中学生になって。「これなんだ?!」みたいな。こんなことしていいのか!これはすごく美味しいです。焼き鮭はすっごいカッピカピになるまで焼いている印象で、すっごいもったいないです。今は食べれますけど。
山野:普通の刺身がいいってことですよね。
伊藤:そうですね。カルパッチョもなんで酸っぱくするのみたいな。
小室:きびしい。
大野:素材ころすなよってことなんですね。
伊藤:ワサビと醤油がいいなって。
小室:取り寄せたりもしますか?
伊藤:そこまでしない。八千代でサーモンが出てきたら、だれよりも。大皿で出てきたらまっ先に「いいですか?」って言って食べちゃう。
小室:回転ずしは?
伊藤:最初サーモン食べて、中でサーモン食べて、終わりサーモンです。そこは譲れない。
山野:サーモン食べてー。
小室:境港サーモンづくしってメニュー無かったでしたっけ?
伊藤;ありますね。もうたまらない。
篠原:元吉さんでも売ってたよ。このくらいの。
伊藤:それまだ挑戦してなくて。
全員:えーうそ!
伊藤:だって、かっちんこっちん感みたいな。解凍をでうまく出来るのかどうかが。
大野:隠岐水産高校の新巻鮭を一本みたいなのあるよね。
伊藤:なにそれ!
大野:今度伊藤ちゃんのかわりに一本買ってあげる。こうやってシャケですって。
伊藤:目を合わせてくれない(笑)
伊藤茜さん「自分は経験もないし、もっと得意な人もいっぱいいるから、ずっとこれから何十年先も同じ仕事してますとか、明日辞めたいですとか。なんもわたし自体が無計画なんですけど、だけどなるようになっていくだなという感じでいます。」
小室:今の生活を少し伺いたいです。
伊藤:そうですね。朝早いときで5時出勤のときがあるので、そういう時のリズムはまだうまく取れていないかな。朝も出来る限り寝たい派で、ご飯も来てから食べる感じなので、本当はもっと優雅な感じで過ごしたいんですけど、寝るを優先しちゃうから。
小室:それは月曜日ですか?
伊藤:月曜日は一番早いです。土日明けで、月曜日にパンを一日で仕上げてしまいます。他の日は、前日に仕込んでおいて、朝イチ発酵した状態から焼くみたいな。作業が分担できてるので、あれなんですけど。月曜と木曜だけ一日でやっちゃうから早い。
小室:なぜパン屋さんを始められることになったんですか?
伊藤:話が長くなるかもしれない(笑)。うまく言えるかな。そもそも私が海士に来たのが、5年前?2016年になるんですけど、その時は地域おこし協力隊という枠だったんですが、交流促進課。イコール観光協会の所属で、働かせてもらっていて、大学新卒で海士に来て、就活のときにお世話になった先生が、海士町と関わる仕事をしていて、隠岐神社というところの活性化のプロジェクトが立ち上がるという話があるけれど、やってみるか?来てみるか?みたいな話があって。その時就活もうまくいってなかったりして、ずっと大阪出身なんですけど、大阪から飛び出して、京都でもいいし、東京でもどこでもよかったんですけど、こうやって話をもらえることってなかなかない繋がりだから、飛び込んで来てみました。最初から隠岐神社のプロジェクトに関わらせてもらっていて、観光ガイドをしたり、隠岐神社の周りにある施設を運営していくとか、良くしていくという流れで、隠岐神社の中の講堂をリノベーションして飲食店になったり。おみやげ屋さんで働いているんですけど、そこの改修だったり、今勤めている会社の立ち上げから、いろいろな部門の立ち上げをやってきていて、今なんでパン屋お菓子をつくっているかというと、造形大学出身なんですけど、造形大の学生が、講堂、今「離島キッチン」なんですけど、そこの建物が改修される前の古い状態のときに、「長靴カフェ」っていうイベントを企画したんです。なんで長靴かというと海士の人たちのかっこいい姿っていうか、みんな長靴をもっていて、漁師さんも農業の人も普通に住んでて仕事している人たちも誰もが長靴もっているというのが良いよねってっていうコンセプトであって、カフェだからコーヒーとかき氷とフレンチトーストを出そう話があったらしく、その時、造形大学の担当だったので、海士の人を紹介していく中で、トキワベーカリーさんの山中さんご夫婦のところにご案内して、そこで食パンが出来るまでの雰囲気とか、実際のご夫婦がやっている様子とか、昔はこうだったんだよという思い出話とかを学生と一緒に聞いたりしていて、まだその時はぜんぜんパン屋やるという話はなかったんですけど、山中さんご夫婦がわっせわっせと海士中学校の近くだから、部活帰りの学生さんが買って帰ってたんだよ、とか聞いて、いいなーって想いが漠然とあったうえで、おみやげ屋さんの改修っていうのがあったというのと、山中さんご夫婦がご年配で、もうお店を閉めるという話の中で、当時の上司、青山課長に山中さんが パンじゃなかったんですよ。「白浪」を観光のおみやげの中で、残したいという想いが山中さんにもあって、そこを相談するのは観光の仕事のところだから、そういう話があったときに、山中さんの想いを無くしたくないし、私も白浪買って食べてたし、島の人たちの身近なものがパっていつのまにか無い!って、自分のことで例えたら、自分の母校が無くなったとか、昔見てた景色が変わっちゃったとか、すごく寂しいって思うから、無くしたくないなって言うのがあって、あと単純にものづくりするのも興味があって、好きな方だから、お手伝い出来たらいいなーという話をしていた時に、おみやげ屋の改修と言う話になって、おみやげ屋さんの建物の中に、そういう工房を作ろうっていう話になってっていう。最初はパンの話はなかったんですけど、白浪も残すとなった時に、パンも無くなるのかなって、それも同じ文脈なんですけど、はい!そんな感じです。自分は経験もないし、もっと得意な人もいっぱいいるから、ずっとこれから何十年先も同じ仕事してますとか、明日辞めたいですとか。なんもわたし自体が無計画なんですけど、だけどなるようになっていくだなという感じでいます。
伊藤茜さん『白浪も地元の人が食べてくれていて、そこで結構昔から食べているからこそ期待があるから、「こんな感じの方がいいんじゃない?」とか「おいしかったよ」とか、いろいろ声かけてくれることが嬉しいなって』
小室:今日ふくぎ茶のイベントがあって、いっしょにご飯食べた方と給食の話になって、「給食でどういうのが出るんですか?」って聞いたらパンが美味しいって言っていました。
伊藤:ちょうど先週バーガーパン焼いて。本当ただ丸くスライスしただけなんですけど、その時のおかずと挟んだり、つけたり、食べたりみたいな。すごいうれしいです。
小室:作っててどのパンが一番難しいとかありますか?
伊藤:難しいのは、そもそも生地を作ること。温度とか湿度とか。本当ちょっと水の量が変わるだけで、膨らみ方違ったりとか、そもそも成型。形づくるというのは…なんだろう。まだ出来ていないのは、私の中でつくれていないのは、マヨネーズパンとチョコロールとピーナッツパンという同じ工程なんですよね。ただ丸めるだけではなくて、難しいんですけど、違う方法で同じ形をつくることは出来るみたいなんですけど、この方がいいんだって山中さんがこだわっていて、それはまだ出来ていない。まだつくれていない。
小室:逆に得意なパンは?
伊藤:今ずっとカレーパン。アンパン、クリームパン、メロンパン、中に包むやつは全部。担当分けが自然にこうなっちゃって、詰め物は私がやっています。
小室:ビーフカレーパンも?
伊藤:はい。アンドーナツとか。一日仕上げでつくるときと、分けてやる時と仕上がりが違ってて、おすすめは一日で仕上げる時の方がうまくできるので、月曜日がおすすめです。
山野:僕は塩パンとハムが好きです。中になんかバター?あれがすごい美味しい。
伊藤:ほどよくほどけてる感じが。
山野:そうそうそう。それとクリームパンはよく食べています。いつもキンニャモニャセンターで朝、出勤する前に買って行くって感じで。常識の。うん、焼き立てを買いに行きたいな。
伊藤:今ちょっと「つなかけ」での販売。お店での販売もしてるんですけど、ダイレクトに配達できたらいいなっていうのは、もんもんと今考えて。やっぱり直接会って渡したいな。あと定期便みたいな。あ、定期便の人も増えてきました。食パンもですけど、黒豆パンとか。
大野:定期便制度とかあるんだ。
伊藤:今ちょっとやり始めてて、食パンは前から始めてたんですけど、菓子パンも増えて来てて。
小室:一日の仕事の中でいいなって思う瞬間ってありますか?
伊藤:焼き立ての匂いに包まれるっていうのは、贅沢なんじゃないかなって思うし、やっぱこう白浪で言うと、地元の人がパンもですけど、白浪も地元の人が食べてくれていて、そこで結構昔から食べているからこそ期待があるから、「こんな感じの方がいいんじゃない?」とか「おいしかったよ」とか、いろいろ声かけてくれることが嬉しいなっていう。
大野:さっきまったく触れられてなかったんだけどさ。絢ちゃんは今何してるの?
篠原:今ですか?
大野:仕事はなにしてるの?
篠原:今週7の契約になっちゃってて、週三が島ファクトリーっていう観光協会の子会社。週一水曜日がキッズラインっていう東京の仕事をオンラインでやっていて。週三がしゃん山のEC化っていう、夫婦で三日なんですけど。
大野:キッズラインの仕事は何をやってるの?
篠原:人事に近いのかな。シッターさんになりたい人向けに毎週三回、コロナ流行る前までは本社に人を集めてやってたんですけど。今は全部オンライン上で、毎回20人、多いときで40人くらいバーってzoomに入ってもらって、会社の概要とかどうやってこのあと選考が進んでいくかとか、2~3時間説明して、受けた面接をバーとめっちゃ見たりとか。合否がいろいろな段階があって、全部で4回合否が出る段階があるのかな。その最初の段階を見る感じの仕事です。
大野:いわゆるフリーランスになるの?
篠原:それは一応本社スタッフとしてアルバイト契約で働いていて、シッターはフリーランスでキッズラインのサービスをつかってやっている。
大野:島ファクトリーとかは、委託を受けてやってるの?
篠原:島ファクトリーも契約社員ですね。フリーなのはシッターだけですね。
大野:どっかの社員というのは?
篠原:島ファクトリーなんですかね?
大野:知りません(笑)
篠原:島ファクトリーの社員ですね。
大野:そろそろカードタイムですね。
大野:この間考えた質問がシャッフルされてる?
小室;はい。シャッフルされてます。